インから先マイ有利に逃げ切った宇野弥生は「準優勝戦はスタートを行っただけです。足の方は4日目と似たり寄ったりで、3日目の良さがなかったです」と振り返った。コースの利が勝因だったが、優勝戦は3号艇になってどうなるか!?
2着争いを制した三浦永理は「準優勝戦は良かったですよ。回転を上げる調整をして乗り心地が全然違っていました」と激しかった優出争いに競り勝った要因を話した。「足に関しては細川(裕子)さんの方が良かったけど、出足型で中堅上位ぐらいはあります」と実戦向きの仕上がりが好結果に繋がった。
3着だった土屋千明は「2マークは最初から外マイに行けば良かったです」と悔しい表情。「回り足はしっかりしているけど、伸びは劣勢でしたね」と三浦や細川との比較を説明した。
4着だった細川裕子は「足、乗り心地とも良かったけど、1マークは自分のターンが出来なかった。レースの失敗。反省です」と頭を下げた。
5コースの大久保佑香がコンマ04のフライング。残り5艇もゼロ台の踏み込みだったが、好枠の田口節子がインから押し切った。「逃げたけど、前半の方が乗りやすかったし、しっかりと合ってはなかったです」と振り返った。それでも「総合的に見ればターン回り中心にいいと思います。乗り心地をしっかりとさせたいです」と優勝戦の2号艇を意識した口ぶりだった。
浜田亜理沙との2着争いを制したのは長嶋万記。「3日目後半からターン回りはいいけど、ガマでいい時の乗り心地ではないです」と特徴は回り足だが、抜群の域ではないことを強調した。スタートについては「見え方は勘と合っているけど、思い切ったのは今後のこともあるので速いと思ったら調整しています」と吐露。女子戦の準優勝戦と優勝戦のフライングはペナルティーが発生するだけに、そこは気をつけていた。
3着の浜田は「足自体は悪くないけど、自分が下手でした。もう少し回転を合わせたいです」。反省と最終日の課題を口にしていた。
フライングの大久保は「入っていると思って行ったんですけど…」とガックリ。「準優勝戦はボート変更で好きな感じになっていました」と行き足が思ったよりも良くなっていたようだ。
フライング直後のレースだったこともあり全艇が慎重なスリット。インから逃げた平高奈菜は「乗り心地が良かったので握って回れました」と豊田結のツケマイを受け止めた。「足に関してはずっと行き足から伸びがいいし、優勝戦も準優勝戦のような乗り心地があれば大丈夫だと思います」とエンジン面には自信を持っていた。最後に「まだ蒲郡では優勝したことがないので、優勝して帰りたいです」とスピードクイーンメモリアルに続く連続Vへ王手をかけた。
2着の豊田は「4日目にギヤケースを調整してからは、グリップや押しがすごく良くなっています」と通算4度目の優出を決めて満面の笑み。優勝戦は4号艇でエントリーしたが、5号艇が長嶋万記、6号艇が三浦永理と静岡勢が並んだ。「お世話になっている先輩方ですし、いい展開を作れるように仕掛けたいです。4カドからコンマ10を目標に行きます」とボルテージが上がっていた。
3コースの中谷朋子は一つ内の豊田に(先に)握られて万事休す。3着だった廣中智紗衣は「いつもの乗り心地は来てないですけど、伸び型のペラにしては引き出せたかな」と振り返っていた。
蒲郡通算成績
勝率
6.28
2連率
45.7%
3連率
64.6%
出走
492回
優出
16回
優勝
2回
蒲郡通算成績
勝率
6.78
2連率
51.5%
3連率
68.5%
出走
200回
優出
10回
優勝
4回
蒲郡通算成績
勝率
6.23
2連率
44.0%
3連率
63.7%
出走
300回
優出
9回
優勝
4回
蒲郡通算成績
勝率
6.46
2連率
48.5%
3連率
69.1%
出走
97回
優出
2回
優勝
1回
蒲郡通算成績
勝率
6.34
2連率
44.8%
3連率
60.5%
出走
134回
優出
4回
優勝
0回
蒲郡通算成績
勝率
7.10
2連率
57.1%
3連率
74.2%
出走
240回
優出
13回
優勝
5回
2025年は新設PGⅠが誕生するなど、女子レーサーにとって更に熱い一年が始まりました。そして、全国各地で女子戦が花盛り。
当地でも3月5日から10日までの6日間、熱戦が繰り広げられます。今回は2025年前期適用勝率順にご紹介させていただきます。
三浦永理(7.65)、田口節子(7.35)、浜田亜理沙(7.20)、細川裕子(6.98)、平高奈菜(6.71)、長嶋万記(6.59)の6選手は初日12レースのドリーム戦に出場します。別枠を設けているため、ここでは割愛させていただきます。
勝率6.94の自己ベストを更新したのが土屋千明。出走回数こそギリギリの90走でしたが、これだけのハイスコアなら問題なしでしょう。2025年後期審査期間に突入しても6点台後半をキープしており、1着量産より2から3着をしっかりと確保するレーススタイルです。
2024年後期はA2級に陥落していた中谷朋子(6.49)ですが、立て直してA1級に返り咲きました。好不調が激しいタイプですが、エンジン出しに取り組む姿勢には頭が下がります。
2期続けてA1級の喜井つかさ(6.26)は、キレのあるコーナーワークで接戦を競り勝つイメージがあります。2025年後期審査期間は折り返し地点を過ぎても6点台に乗せられていませんが、ここからエンジンを点火して自身初となる3期連続A1級へチャレンジです。
蜂須瑞生(6.18)、廣中智紗衣(6.06)、平田さやか(6.03)、岩崎芳美(6.02)、清埜翔子(6.00)、今井裕梨(5.99)、水野望美(5.98)、宇野弥生(5.94)は浜名湖PGⅠスピードクイーンメモリアルからの転戦組です。蜂須はA1級ボーダーには届きませんでしたが、初めて6点台に乗せて来ました。今期に入って調子は上がっていないですが、地力アップは顕著なだけに巻き返しに注目です。
廣中は2、3年に一度、A2級に陥落することがありますが、すぐさまA1級に復帰しています。近況のリズムはひと息ですが、生まれ育った当地で上昇ベクトルに転じたいところです。
A2級常連の平田は約7年ぶりに勝率を6点台に届かせました。好スタートから繰り出す自在攻撃で魅了することでしょう。
岩崎はベテランの域に突入してもメンタル面を含めて総合力の高い一人。変わらない向上心で目の前の一走一走に取り組みます。
昨年は尼崎と戸田で優勝した清埜ですが、今期に入って大きな着順を取ってしまう場面が多くなりました。勝率も5点前後と低迷しているだけに、ひとまずA2級キープを目標に軌道修正をはかりたいところです。
絶好調の今井は、2025年後期審査期間に入って5優出1V。2月19日時点で勝率6.73と自己ベストの6.35を大きく上回っています。当地はGⅢクイーンズクライマックスシリーズで好走し、準Vをしていたことも記憶に新しいです。
浜名湖PGⅠスピードクイーンメモリアルでは、水野が常滑、宇野が当地から推薦を受けました。両者とも地元の女子戦では欠かせないレーサーで今節も熱い視線が注がれることでしょう。特に宇野は2月の下関ヴィーナスシリーズを優勝しており、リズムを好転させています。
野田彩加(5.77)はA2級初昇格、原田佑実(5.70)はA2級に復帰しましたが、2025年後期審査期間は4点台後半に甘んじており、浮上のきっかけをつかみたいところです。
対照的に黒澤めぐみ(5.55)は前期の自己ベストを更新中です。まだ優勝経験はありませんが、着実に優出回数を増やしており今後の成長が見込まれます。
ここ2期はB1級と元気のない池田浩美(5.45)ですが、A級常連だっただけに好モーターを引き当てれば上位進出も可能です。
谷川里江(5.23)もここ3期はB1級ですが、随所に存在感を示しています。2025年後期審査期間は昨年12月に下関GⅢオールレディース、徳山男女W優勝戦で連続優出しました。特に下関GⅢオールレディースでは、得点率トップ通過を果たし優出2着と奮闘しました。モーターを最大限に引き出す能力は今節でも屈指の存在です。
前期はA2級ボーダーに届かなかった西村歩(5.18)ですが、その前は5.72、5.77とA2級クラスの力量を持っています。
加藤綾(5.13)は2月の江戸川ヴィーナスシリーズでフライングをしてしまいましたが、持ち前のコーナーワークで最小限の影響にとどめたいところです。
近3期はB1級の永井聖美(4.84)ですが、期始めの多摩川ヴィーナスシリーズでは優出4着。かつての地元水面で気合スイッチがオンになることに期待です。
ベテランの中里優子(4.77)、福島陽子(4.75)、水口由紀(4.73)も内寄り枠番なら舟券に絡んできます。特に中里は攻撃力もあるだけにストレート系がいい時は要注意です。
2024年前期適用成績でA2級昇格や初Vを飾りブレイクした深尾巴恵(4.69)ですが、昨年は快音が響きませんでした。それでもツボにハマった時のレースは豪快なだけに穴党ファンは注目です。
鈴木祐美子(4.52)、安達美帆(4.39)、武藤綾子(4.10)、笠野友紀恵(4.07)、石井裕美(3.98)、永田楽(2.69)はスタートで勝負をするタイプではないだけに、好モーターを引き当てることが活躍するかどうかの分岐点になりそうです。
ここからはB2級です。冨名腰桃奈(3.49)、松田真実(1.94)、樋江井舞(1.80)、井澤聖奈(1.19)、中村紋夕梨(1.07)は経験を積み重ねることが最優先。ピットでの作業を含めて、今は全てのことが今後の肥やしになることでしょう。
産休から戻って来ているのが島田なぎさと山川波乙。島田は昨年11月の平和島、山川は今年1月の津から戦列に復帰しています。島田はA2級&優勝実績があり、山川もA2級になるために土台を作っていました。
最後に二人よりひと足先に産休から復帰しているのが豊田結。こちらは10月の当地ヴィーナスシリーズから走り始め、いきなり節間4勝の荒稼ぎ。続く11月の平和島ヴィーナスシリーズでは優勝戦に駒を進めました。エンジンの出し負けが少なくなったことで本来のターン力が活きるようになりました。