実績上位の田中信一郎が存在感の違いを見せつける
吉田拡郎、山田哲也の攻撃的な走りは必見だ
ベテランから若手まで、豪華メンバーが集結する。その中でも、田中信一郎の存在感が別格だ。SGグランプリを3度制した実績は色あせない。今年のVは2月の唐津の1度のみ。実力を考えれば成績自体は物足りないが、長年培ったテクニック、勝負センスはまだまだ健在。卓越したハンドルワークで優勝を狙う。 吉田拡郎といえば真っ先に思い浮かぶのが昨年6月の当地GⅠ周年だ。鮮やかな2コース差しでVを飾っている。今年は記念戦線では苦しい戦いが続くが、一般戦になれば話は別。今期は7月の鳴門、8月の戸田でVを手にし、調子は確実に上向いている。切れ味鋭い走りは必見だ。 岡山勢では清水敦揮の活躍も楽しみだ。当地は昨年11月に出走し、堂々の優出を果たした。近況は4月の芦屋、6月の宮島でVをマークするなど、コンスタントに優出も決めている。ペラ調整、エンジン出しの引き出しも豊富で、大崩れは考えられない。 話題性なら山田哲也も負けていない。7月の若松でVを飾り、史上38人目となる全場制覇を達成した。どんなボート場でもしっかり結果を出せるのは、それだけ能力が高いからこそ。本来ならSG、GⅠでの活躍が期待される選手。天性のスタート力を存分に発揮し、攻撃的な走りでファンを魅了する。 谷野錬志にもチャンスは十分。2024年後期適用勝率は参加メンバートップの7.12を稼いだ。圧巻だったのは浜名湖のお盆開催。6枠でファイナルに駒を進めると、並み居る強豪を相手に見事にVをゲットした。これで今年通算4V。SGボートレースクラシック出場のためにも、大事なレースが続く。 地元勢にも多彩な顔ぶれがそろった。坂元浩仁は新エンジンを経験済み。調整面でのアドバンテージが大きい。6月の当地GⅠ周年は強力な伸びを生かして準優へ勝ち上がるなど、大いに見せ場を作った。今シリーズも気迫の走りは必見だ。 北川潤二は現在A2に甘んじているが、実力は間違いなくA1級。常滑のお盆開催を制し、気分を良くしている。コース取りからシビアに立ち回り、強気なスタート、ターンを繰り出して貪欲に1着を狙う。本多宏和も軽視は禁物だ。フライング過多でリズムを崩したが、北川同様に実力は文句なし。冷静機敏に優勝を目指す。 吉川喜継、木村仁紀、中村有裕ら滋賀軍団も侮れない存在だ。的確にレースの流れを見極め、しぶといハンドルさばきでチャンスを引き寄せる。森永淳、高田明も総合力は高い。若手レーサーでは石本裕武に大きな期待が集まる。F2でリズムを崩したが、今年1月の住之江ルーキーシリーズでデビュー初優勝を手にするなど、潜在能力の高さは特大。今後のボート界を背負って立つ1人だけに、その動向に注目だ。 村田修次は第21回PGⅠマスターズチャンピオンを制している。豊富な経験を武器にV戦線を盛り上げる。杉山貴博も攻撃力は引けを取らない。大沢普司、原豊土、松井賢治らも勢いに乗れば一気に優勝まで突っ走る可能性を秘めている。イン魂を貫く地元の清水紀克、伸び仕様のセッティングも駆使する酒井俊弘、佐藤悠ら個性派の活躍も楽しみだ。