真夏の祭典・SGボートレースメモリアルが幕を閉じ、いよいよボートレース界は年末のビッグレース・
SGグランプリへ向けての賞金争いがヒートアップします。そんな中、ボートレース蒲郡は
GⅠ開設70周年記念競走が10月5日からの10日までの6日間、全国の強豪レーサーが白熱の攻防戦を繰り広げます。
今回はベテラン、中堅、若手の世代別にご紹介いたします。
「ゴールデンレーサードリーム戦」に出場予定の平本真之、吉川元浩、馬場貴也、白井英治、井口佳典、瓜生正義および「70周年ドリーム戦」に出場予定の池田浩二、西山貴浩、石野貴之、磯部誠、土屋智則、片岡雅裕の12選手は特別コーナーを設けているため、ここでは割愛させていただきます。
最古参の今垣光太郎は、SG9冠、GⅠは30V。当地ではSGボートレースメモリアル2V(2002年・2004年)とGⅠ46周年を制しています。カドからのダッシュ攻勢は、ワクワク感が高まります。
実績最上位は王者・松井繁。現役最多のSG12冠、GⅠはなんと5倍の60Vも挙げています。通算獲得賞金額は41億円を超えて史上最高額を更新中。当地では2008年のSGオーシャンカップを優勝しています。
太田和美はSG7冠、GⅠは21V。当地でのSGVはありませんが、1998年9月のダイヤモンドカップでGⅠVを飾っています。
辻栄蔵はSG3冠、GⅠは9V。SGで初優出した2003年の当地SGオーシャンカップでは、5コースから電光石火の差しで突き抜けました。現在は冷静なコーナーワークが持ち味です。
かつては愛知支部で活躍した原田幸哉。在籍中は当地でのSGタイトルに届きませんでしたが、長崎支部に移ってから2021年のSGボートレースメモリアルで当地SG優勝して胸のつかえが取れました。来年のSGグランプリは大村開催。少し気は早いですが、モチベーションは上がっています。
愛知の闘将といえば赤岩善生。蒲郡は通算27V、GⅠは2011年の東海地区選手権と57周年を優勝しています。9月1日現在で優勝は2回。SGボートレースクラシックの権利を得るためにもGⅠVは喉から手が出るほど欲しいところです。全身全霊を懸けてV獲りに挑みます。
静岡支部でありながら「ガマハラリョウ」の異名を持っていたのがSG2冠の笠原亮。大怪我から復帰してGⅠ優出やSG出場も果たしています。当地GⅠ戦で復活Vなら最高のドラマになります。
当地周年は85期が合計5Vを挙げていますが、SG3冠の田村隆信もその一人。2019年のGⅠ64周年では、得点率トップからVロードを歩みました。思えばデビュー初Vも当地で挙げており、水面相性は良好です。
SG4冠の湯川浩司は当地GⅠ65周年を優勝。3カドから強烈な伸びを武器にインの峰竜太を撃破しました。今年は6月のSGグランドチャンピオン(戸田)で節イチ伸びに仕上げ熱視線を集めました。
ベテランのカテゴリーでSGを勝っていないのは萩原秀人のみですが、SGには45回出場して4優出。GⅠは2016年の福岡周年を制しています。マスターズ世代ですが、ターンスピードは若手にもひけを取りません。
柳沢一は2019年のグランドチャンピオン(多摩川)でSG制覇。GⅠは江戸川、浜名湖、蒲郡、常滑でVと勲章は近隣地区に集中しています。6月の当地戦では勝ち星を量産しての優勝。今節もホームの利を生かしたいです。
昨年の久田敏之は、最終節の鳴門で年間5Vをマーク。SGボートレースクラシック(若松)に出場して準優勝戦4着と見せ場を作りました。その後は5月から怒とうのVラッシュ。毎月のように優勝をして4Vまで積み上げました。当地は優勝こそ挙げていませんが、2020年SGチャレンジカップで惜しい優勝戦3着があります。
杉山裕也はゴールデンウイーク戦で17年振り3度目の当地Vを飾りました。今年はここまで4VとSGボートレースクラシック出場を狙っています。
今年は初の近畿地区選手権チャンプに輝いた稲田浩二。質のいいスタートから繰り出す自在な立ち回りは舟券貢献度が高いです。
岡崎恭裕はSG1V&GⅠ4Vの内容が驚きです。優勝したコースは1・4・6コースが1回ずつ、5コースからは2010年SGボートレースオールスター(浜名湖)を含む2優勝。当地でも2020年SGチャレンジカップでは、5コースから準V歴を残しています。
山田哲也は2年前にA2級に陥落してからは、記念戦線での活躍が減っていましたが、今年に入って3月の尼崎GⅠ周年で優出。アベレージも回復しています。
昨年は年間6Vを挙げて今年のSGボートレースクラシックに出場した若林将。節間だけでなく期別の成績にもムラ気がありますが、ツボにハマった時の攻撃力は軽視禁物です。
今シリーズの後に地元SGボートレースダービーを控えるのが新田雄史。今年は悪夢(2022年浜名湖SGボートレースメモリアルでフライング)から立ち直り6月には桐生GⅠ周年を優勝しました。ここを終えて10日後が大一番だけに、勢いに乗れるような走りをみせてくれるでしょう。
同期の土屋智則に続いて西山貴浩もSGを優勝。山口達也にとって喜ばしい限りですが、今度は自分だとの思いは強まったことでしょう。まずはGⅠ戦線で活躍してSGの権利をつかみたいです。
篠崎仁志は2020年SGボートレースオールスター(住之江)を優勝。GⅠも3VしてSGの常連でしたが、今年はSGボートレースオールスター(丸亀)に出場したのみ。きっかけの一打が欲しいところです。
前期の北野輝季は、3年振りに自己ベストを更新。今期は初の7点ペースで突っ走っています。蒲郡は昨年のGⅠ東海地区選手権を含む5連続優出中で、そのうちの一般戦を2Vしています。
今年のボートレース浜名湖は、SGボートレースメモリアルで河合佑樹と深谷知博を推薦しました。河合は昨年のチャレンジカップ(下関)でSG初Vを達成。暮れの大舞台・SGグランプリを経験しました。今年はSGボートレースメモリアル終了時点で賞金ランキングは23位。SGチャレンジカップがフライング休みになるため、2年連続でSGグランプリに出場するためにはGⅠでの賞金加算が必須になりました。
深谷は31位。まずは34枠のSGチャレンジカップへ駒を進め、それでいて一つでも上の位置に押し上げたい思いです。当地への苦手意識がなくなり、5月には池田浩二や新田雄史らを相手にVを飾っています。
黒井達矢はGⅠ&GⅡで合計11優出。以前は外枠で優出するケースがほとんどでしたが、2022年のGⅠ優勝戦からは1・5・2・1枠と狙える実力が身に付いています。当地は5月戦を含む2Vと水面相性はまずまずです。
黒井と同支部同期の秋元哲は7月のGⅡボートレース甲子園(びわこ)で悔しい準Vでしたが、予選道中のレース内容はピカイチでした。当地は2019年にまくり差しで優勝をしています。
当地67周年でGⅠ初Vをゲットしたのが渡邉和将。今年はGⅠ中国地区選手権で8戦7勝の圧巻劇を演じ、7月のGⅡモーターボート大賞(児島)でも優勝して地元の重責を果たしました。9月1日時点での賞金ランキングは41位。10月末までにGⅡ以上のレースは今シリーズのみなだけに、意気込みは相当なものでしょう。
岩瀬裕亮は今年10優出2V。今後のあっせんを見渡すと9月から11月はGⅠロードを歩みます。目標に掲げていたSGボートレースクラシック出場へは、GⅠ以上を優勝することがノルマになりそうです。一見すると難易度が高く感じますが、元々はレースセンスがあふれています。ホームプールでの雄姿に期待したいです。
河野大は2019年の四国地区選手権チャンプ。本来ならSGボートレースクラシックの権利が手に入るところでしたが、フライング休みと重なりSG初出場はお預けとなりました。意外性を生かして波乱を呼び込みたいです。
当地4連続優出中の村上遼は、2023年2月は3コースからのまくり差しV、今年5月は白井英治を相手にイン速攻Vを決めました。当地での走りは2割増しが必要です。
以前の今泉友吾は2着、3着取りが上手でしたが、パンチ力が加わり昨年は5V。舟券作戦には入れておきたいです。
ここの10名は全てPGⅠヤングダービー(宮島)からの転戦組です。この中から第12代のチャンピオンが誕生しているかもしれません。
今、一番勢いがあるのが吉田裕平。当地の推薦で出場したSGボートレースメモリアル(若松)では、平凡機を引きながらもキレのあるレースでファイナリストに名を連ねました。9月1日時点での賞金ランキングは38位。SGチャレンジカップ(福岡)出場を圏内に入れています。また、GⅠ以上を優勝すると、SGグランプリへの道が開けてきます。
新開航は2023年のダイヤモンドカップ(常滑)でGⅠ初Vを挙げると翌年の桐生GⅠ周年も制覇。今年はさらなる期待が高まりましたが、ここまではなかなか結果に結び付いていません。それでもGⅠVはいずれも秋だったことを考えると、得意の季節で三度目のブレイクを果たすかもしれません。
佐々木完太は5月のGⅡモーターボート大賞(平和島)で2度目のGⅡを優勝。当地SGボートレースクラシックの権利を手にしているだけに、来春をイメージして乗り込んでくるでしょう。
高橋竜矢は2023年の当地ボートレースダービーでSG初出場を果たし、5日目には1着も取りましたが、その後はA2級に降格。なかなか思うような成績を残せていませんでしたが、前期勝率は6.81といい頃に戻りつつあります。
澤田尚也は1着量産タイプではないだけに、優勝戦を1号艇で迎えるケースは少ない傾向です。通算51優出中、1枠で乗ったのが2回。1枠以外で優勝したことが5度もあり、道中でのさばきがしっかりしています。
畑田汰一は長身から繰り出すハイスピードターンが主武器。胸を借りるつもりでアタックすれば、好結果が得られるだけのポテンシャルを秘めています。
今年の中村日向は、9月1日時点で14優出6V。絶対ではありませんが、SGボートレースクラシック出場が有力な位置にいます。当地は2020年ルーキーシリーズ以来、5年振りになりますが、ハンディを乗り越えて来春につなげたいです。
今年、末永和也は3月の唐津GⅠ周年を含む5V。2023年の九州地区選手権に続くGⅠタイトルをゲットしました。9月1日時点で賞金ランキングは30位。秋の記念戦線はSGグランプリ初出場を目指してラストスパートです。
昨年の定松勇樹はSGボートレースオールスター(多摩川)でSG優勝を成し遂げると、SGグランプリも2ndまで進み(優出次点)存在感を示しました。今年は3月と5月にフライングをしてしまい、リズムに乗れないまま秋を迎えてしまいました。反撃の糸口をつかみたいです。
最後は地元の23歳・中野仁照。前期はGⅠの壁にぶち当たりながらもA1級をキープしましたが、8月の多摩川で今期2本目のフライングを切ってしまいました。それでも、刺激のある舞台を見聞して今後の肥やしにしたいです。