スタート展示ではチルト3度の菅章哉だけが大外へ出て124/563の3対3だったが、レースでは5号艇の西村拓也のピット離れが良く、12/5346の2対4で行われた。
 スタートは全艇がコンマ10台だったが、菅がスリットから強烈に出て行った。一気にまくったかに見えたが、ターンマークを漏らしてしまい、そのスペースをインの岩瀬裕亮がクルッと絶妙なターンでバックストレッチは並走。2マークは内有利に岩瀬が押し切った。
 1着の岩瀬は「(1マークは)100点のターンが出来ました」とニッコリ。「8割方あの隊形をイメージしていたので慌てなかったです」と準優が菅と3度目の対決だったことがプラスに働いた。
 2着の菅は「1マークは流れちゃいましたけど、優勝戦に乗れたので良かったです」とGⅠ初優出に満面の笑み。「コース取りでマークしてもらったら常にまくって行くつもりで臨んでます」と4コースを取れたことがファイナル進出へ繋がった。
 5着に敗れた西村は「初めて3カドをやってみたけどダメでしたね」と付け焼き刃で挑んだが成果は出なかった。


 吉川元浩はスタート展示からピット離れが劣勢だったが、本番レースでも遅れてしまった。その隙に峰竜太と篠崎元志が2・3コースを確保。吉川が4カドに転じての134/256で行われた。
 スリットは峰がコンマ06、篠崎がコンマ07を決めインの吉田拡郎にプレッシャーを与えたが、吉田が先マイ有利に運んで逃げ切り勝ち。差した峰と追い上げる篠崎で優出争いも、峰が2周1マークで篠崎を冷静に差し交わした。
 1着の吉田は「スリットで先手は取れなかったけど、前を向いてからはグングン押してくれた」と仕上がりの良さを勝因に挙げた。
 2着の峰は「吉川さんの2コースは上手ですし、内側にいる選手が一人でも少なくなったことが良かった」とピット離れで一つ内が取れたことが大きかった。
 5着の吉川は「大きなことはしてないけど、準優はピット離れが悪かった。合ってなかったのかな」と首を傾げていた。


 準優ラストカードは、ピットアウトに優劣はなく、折り合いの着いた枠なりの3対3で行われた。スタート展示とブレがなかったこともあり、スリットはコンマ07~09の間に全艇が通過。横一線で迎えた1マークはインの赤岩善生が逃げ切り勝ち。
 次位争いは、磯部誠の握りマイに対し、2コースの田村隆信も内から併せマイ。4コースから二番差しに構えた関浩哉が最後の優出切符を掴んだ。
 1着の赤岩は「準優が一番いい調整が出来た」と胸を張り、「足併せはせず、他がどれだけ出ていようが己を信じるだけ」と気合を強調していた。
 2着の関は「足には自信があったので落ち着いて走れました。1マークは初動がしっかりかかってくれましたね」と冷静なコーナーワークで優出争いを有利に進めた。
 4着の田村は「1マークは差した方が良かったかも。足もう~んって感じでした」と1マークの選択を悔やんだ。